嶺北が生んだ美しき突然変異種。世界にひとつだけのユリ「ノーブル」
お話を伺ったのは
藤原 厚志さん
花き農家。1950年生まれ。嶺北本山町で花き農家を営む。20年前に突然変異種ノーブルと出会う。球根から栽培まで一貫したユリの栽培を行っている。
ノーブルとの出会い
生まれも育ちも嶺北本山町の藤原さん。親の家業である花き栽培を継いで数年経った頃、スカシユリ系のユリを栽培している中に蕾が違うものがあり、それを咲かせてみたら八重咲きのユリが咲いたことが始まりでした。調べてみると、突然変異種で世界に一つだけ。名をノーブルと命名しました。
ノーブル栽培の難しさ
出会ってからは、ノーブルに注力してできる限り生産数を増やしてきました。
しかし、球根から栽培まで一貫して自分でやらなくてはならないので量産するには手間がかかるそうです。
土の中にできる小さな球根を元に増やして育てるのですが、灰カビ病などの病気などに弱く、ハウス内の湿度を低く抑えるために換気扇が必需品で設備投資にもお金がかかりました。また、一本一本の葉や茎を丈夫にするため、球根の植え付け間隔を他のスカシユリよりも広い間隔栽培しているので、植栽本数が減ってしまうそうです。
「植栽本数が少ない分、本数は減るが、品質保持には欠かせない」
と藤原さんは言います。
ノーブルの特徴
そんなノーブルの特徴は、八重で、淡いミントグリーンのすがすがしい花色であること。花持ちがよく、開花しても花粉で汚れることはないそうです。ユリ特有の香りはありません。花言葉は、威厳、純潔、無垢。結婚式のブーケでの利用も多いそうです。
後継者募集
そんな藤原さんの悩みの一つに後継者問題があります。
ノーブルと出会い、共に歩み続けて20年以上。世界に一つだけのノーブルの栽培のノウハウを藤原さんは持っていますが、それを伝承する人が今はいないそうです。もし、少しでも花き栽培に興味があるのであれば、ノーブルの継承をしたいと思っているそうです。
これからの課題
生産性の向上、品質の向上が必須です。それと安定供給。ビニールハウス栽培と言っても、ユリの出荷はほぼ1年中あるので四季を通じて一定の温度や湿度を保つのが大変。出荷に合わせて日射量を計算し、需要期に開花するように調整もしなければなりません。ただ、世界に一つだけのユリですから、嶺北の目玉にするためにもさらなる向上を図っていきたいと思っています。
ノーブルはこちらよりご購入できます。
https://www.hanadonya.com/product/li-0083.html
今回の訪問先
藤原花き
〒781-3601
高知県長岡郡本山町下津野付近